以前かかわらせていただいた患者様で、とても印象深い方がいらっしゃいました。
80代の男性で、背骨の圧迫骨折。急性期の治療を終えられ、今後はどうしていこう、というタイミング。
まずは担当のケアマネさんから連絡があり「〇〇病院に転院してリハビリを進めるのがいいと思います!奥様にも話をつけてあります!」・・・そうか、奥様もご存じなんだ。では〇〇病院に空き状況を聞いてみようかな・・・
翌日、奥様と電話でお話すると「そうですね」と小声でお話なさいます。話し声からしておとなしそうな、まじめそうな印象。ケアマネさんの言う通り〇〇病院がいいのかな、と準備しているところへ、数日後にまた奥様が窓口にいらっしゃいました。「迷っているんです・・・」と。ケアマネさんからは〇〇病院、離れて住んでいる娘さんからは自宅近くの△△病院、リハビリ担当者からは自宅でなんとかなるのでは、そして患者さんご本人であるご主人様は「どこにも行きたくない!リハビリなんてもうしたくない!」
いろいろな方が、良かれと思って思いを伝える。真面目な奥様は、いろいろなアドバイスを聞くだけで混乱。さらにリハビリなんてしたくないというご主人の気持ちを考え、どうしていいかわからなくなる。「ケアマネさんに怒られちゃう」「お父さんにも怒られちゃう」しきりにおっしゃいます。大きな勇気を出して、窓口に来てくださったことが感じ取れました。
今回の一番の主役は奥様。奥様ご自身に負担がかかりすぎず、ご主人との元の生活に近づけるには。結局、遠方の娘さんも交え、自宅から近い△△病院へリハビリ目的の転院となりました。数か月してご自宅に戻れたことをご報告いただき、またケアマネさんを変更したことも教えてくださいました。
真面目で一生懸命な方ほど、自分を犠牲にして家族のために力を尽くそうとなさる。こういったご家族が本当に多いんです。また奥様だけでなく、ケアマネさんも、良かれと思って、おすすめの病院をすすめてくださったのですが、ご自宅からは距離もあり、今回はお申し出とは違う結論となりました。「介護保険のことわからないから・・・」となかなかケアマネさんに本音を言えず、お任せが多くなっていくうちに、ちょっとお気持ちがずれてきているようにもみえました。
担当者は変えることができます。病院でも、介護保険のことでもそうです。ケアマネさんもいろいろな方がいらっしゃいます。もちろん、患者さん、利用者さん、ご家族のことを一番に考えてお仕事してくださっていますが、人間ですから、『相性』ももちろんあります。そんなときは、遠慮せずに、誰かにご相談ください。病院でも、お近くの地域包括支援センターでも、役所でもいいんです。
もし、こんなお話で少しでもお役にったようでしたら、コメントやSNSで教えていただけると嬉しいです。
読んでいただいてありがとうございました。

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